SESはやめたほうがいい?客先常駐の意外なメリット・デメリット(問題点)

SES企業は、社員を客先に常駐させることで対価もらうビジネスモデルです。

IT業界にいると、

SES(客先常駐)はやめた方がいい
SES企業はブラック

とはよく耳にしますよね。

でも本当にSES企業は働くのによくないのでしょうか?

「なぜSES(客先常駐)が悪いのか」「問題点はなにか」を理解しておかないと、転職の選択肢が少なくなってしまいます。実はSESでも就職にいいケースもあるんです。

そこで、この記事では、SES企業のメリットやデメリットについて解説いたします。

SESについて、しっかり理解すると転職してもいいケース、転職してはいけないケースがわかるので転職で「失敗した~!」となる可能性が確実に減りますよ!

SES企業の社員は不安定で使い捨て要員

SES企業がいやがられるのは、ゼネコン同様の多重下請け構造が原因です。

大手SIerが請け負った仕事を、下請けの中堅会社に投げ、さらにその仕事を下の中小零細企業の下請けに出します。

IT業界の下請け多重構造のピラミッド

ピラミッドの下に落ちてくればくるほど利益率が低いので会社は安定しません。

そのためエンジニアは派遣と同じように使い捨て要員にされてしまいます。

IT企業の多くは、このようなエンジニアを差し出す「人売り」がメイン事業なので、景気が悪くなると、倒産、リストラの危機になる恐れがあるのです。

客先常駐のメリット

SES企業は辛い、つまらないなどと酷評されることが多いですが客先常駐することのメリットも当然あります。

人間関係がプロジェクト限り

エンジニアが駆り出されるのがプロジェクト単位なので、プロジェクトが終わると人間関係は続きません。

同じメンバーでプロジェクトが続くということもありますが、ほとんどは数か月から1年程度で終わりです。

馴染めない職場、上流工程の社員に合わない人がいることもあるので、あまり深く付き合わないことが良い場合もあります。

様々な言語、ツールの経験ができる

プロジェクト次第ですが、今回はJava+OracleとかC#+SQLServerなどプロジェクトによって使用する開発環境や言語が違うので様々な経験を積むことができます。
仕事で毎日何時間も使うので、自分で勉強するよりも早く深く理解することができるはずです。

常駐先から引き抜かれることがある

私が出向していた外資系の会社では実際に何度かあったのですが、優秀なベンダーさんはこっそり(と言ってもバレバレですが)引き抜きされることがありました。

出向といえども何ヶ月、何年か一緒に働けば優秀かどうかはわかるので、効率のいい採用方法といえます。もちろん、引き抜きNGの会社もあるので会社と会社の関係次第です。

自社の人間に監視されない

上司や先輩と共に出向すると当てはまりませんが、自分ひとりや同僚だけでの出向だと自社の人間がいないので比較的気楽に作業ができることもあります。

協力会社さんが多くいる現場だと、みんな自分の作業だけで手いっぱいなので特に別会社の人は放置です。

高い技術や経験が得られる

これもプロジェクト次第ですが、時には大手の大規模なプロジェクトの一部に参加することができます。

その際には、独学ではなかなか得られないような高度な技術や設計などを勉強することもできるので貴重な経験を得られるでしょう。

客先常駐のデメリット(問題点)

労働条件がよくない

メリットに比べて圧倒的に多いのが、客先常駐型SEのデメリット。このデメリットの多さから「SES企業はやめておけ」という声が大きくなるのです。

SES企業のエンジニアには以下のようなデメリットがありますが、傾向が高いというだけで、すべての会社に当てはまるわけではありません。

給与が安い、昇給しない
有給がとれない・とりずらい
倒産リスクが高い
年齢が上がるとリストラ候補になる

給与が安い、昇給しない

SES企業は出向先に人員を出して、それに対して一人月50万~120万ぐらいを受け取ります。

そのため、給与を上げてしまうと単価が上がり出向先が見つかりにくくなるのでなかなか給与が上がりません。もともとの給与もできる限り最低を維持したいのです。

有給がとれない・とりずらい

客先での作業なので、自分都合での有給はとりにくいです。

どうしても有給をとらなければならない場合でも、自社の上司と出向先の責任者に確認を取るなど面倒なことも多くあります。

倒産リスクが高い

現在はIT不足で企業の景気は悪くないので問題ありません。

しかし不況になると、一般企業のIT化が止まり、外注費を削る企業が多くなるので客先での事業がメインの場合は業績が悪くなりがちです。会社の事業が人売りだけだと倒産するリスクが高まります。

年齢が上がるとリストラ候補になる

40代、50代になると給与が高くなることもあり、管理業務や相応の技術力が求められます。

高い単価を支払ってまで高い技術力が必要なプロジェクトは多くないので、単価が安く使い勝手のいい若手が好まれることが多いです。年齢が上がって出向先がなくなると真っ先にリストラ候補に挙げられてしまいます。

労働環境が悪い

現場での立場が弱い・派遣扱い

出向先では、いわゆる派遣と同じ扱いなので重要な情報は後で回ってきます。

また、仕様の制定や設計の段階にはまったく関われないことも多いです。上がってきた仕様書通りに作るだけなので、ひどい仕様でもなんとか工夫してやりとげなければなりません。

人間関係ができにくい、浅い

メリットでもありますが、プロジェクトが数か月から長くとも数年で同じ会社でもないので浅い関係になりがちです。

そのため、人脈を増やしてフリーになりたい、事業をやりたいという人には物足りないかもしれません。

現場の正社員より待遇が悪い

あくまで立場が派遣と同じような扱いなので立場が弱いです。

古いPCを与えられたり、席がなく倉庫のようなところで作業させられたりということもあります。もちろん現場次第で社員と同じ環境を与えられるところもあります。

スキルアップできない

広く浅い技術習得

プロジェクトが頻繁に変わる場合、苦労して覚えた言語や環境でも今後まったく使わなくなることも多々あります。さまざまな経験は積めますが、とりあえず開発できればいい浅いレベルで終わることも多いです。

OJT中心で教育をしっかりされない

顧客に人員を出して売上を上げる業態のため、自社でのんびり研修というわけにもいきません。大手の新人であってもせいぜい2~3ヵ月研修を行って、出向先に行ってOJT(現場での研修)がほとんどです。ひどいところだと、ほとんど研修せずに現場に出されついていけずに辞める人もいます。

開発案件以外の知識がつかない

出向先では、開発業務以外のことはしないので自社にいることで身に付く、会社の大きな仕組み(売上、請求、営業、管理)の経験や知識は学べません。将来フリーになりたい、独立したいという場合にはこれらの知識を知っておかないと苦労することになります。

スキルアップできない現場もある

初めて経験するプログラミング言語や開発環境で1から勉強するのは新しいスキルがつくのでアタリの現場です。

案件の中には膨大なテスト業務、Excelでドキュメントをつくるような雑用だけで何ヶ月も拘束されるようなハズレな現場もあります。仕事はつまらない、スキルはつかないと無駄な期間を過ごすことになります。

ワークライフバランスが悪い

家でも勉強が必要

プロジェクトが頻繁に変わると、そのために勉強しなくてはなりません。

経験が豊富になれば、少しの勉強で応用できるので多少楽になりますが、最初のうちは仕事以外でも勉強する必要があり大変です。

プライベートな時間が持てない

開発の現場は、ずっと忙しいということはありませんが、納期直前になると深夜残業、徹夜、休出は普通にあるのでプライベートな時間はほぼ無くなります。

SIer、SESといった開発系の会社の多くは、

暇な時期 → 忙しい時期 →暇な時期

というサイクルで動いています。

しかし特にSES企業では、炎上プロジェクトの増援やすぐに次の仕事が決まることもあるので、激務から休みなく激務という恐ろしいサイクルになることもあります。

プライベートな時間がもてない一番の問題点は、モチベーションが上がらないこと。天職とはいいませんが、ある程度モチベーションの上がる仕事でないとやり続けることは難しいでしょう。

スキル、経験が不足ならSESもアリ

多くのデメリットを見てしまうと「SES企業はダメだな」「絶対にやめておこう」と考えるかもしれません。

しかし、まだエンジニアとしての経験が浅い場合は、自分が希望するようないい条件の会社には雇ってもらえないことも多いです。

特に未経験の場合には、転職活動がなかなかうまくいかないこともあります。

SES企業は確かに大変なことも多くありますが、経験の浅いエンジニアには修行の場としてあえて挑戦するのもいいかもしれません。

客先常駐をしている会社もピンキリです。

ブラックでどうしようもないところから、常駐すること以外は待遇や人間関係がよく働きやすい会社もあります。

未経験なら教育してくれる会社を選ぶ

ITエンジニア未経験でSES企業を目指すなら、しっかりと教育してくれるところを探すのがおススメです。

多くのSES企業は、OJTという現場に派遣させてそこで実際の仕事をしながら教えるということが多いのですが、未経験の場合はベースがないのでなかなか覚えられずに挫折するという人も多くいます。

やる気があって、業務外も自分で積極的に勉強していけるなら客先常駐でも問題なくやっていけるのですが、それでも最初にある程度は教育してくれるところだと安心です。

知識や経験が豊富ならSES以外を

今までITエンジニアとして何年も働いてきているなら、SES企業へ転職するのはおすすめしません。

理由はSES企業のデメリットで挙げたとおりですが、やはり将来の不安というのが一番大きいと思います。

50代になっても協力会社の現場で働いているってもちょっと想像できませんよね。

SES企業で長く務めるならマネージャクラスを狙う

それでも

SES企業で働きたい
転職はできない

というならSEからプロジェクトリーダー、プロジェクトマネージャという上の役職へとステップアップしていくしかありません。

ステップアップできないと、定年まで客先常駐を続けるという恐ろしいことになります。

それでも仕事があればまだいい方で、通常は派遣先の方から年齢が高いとNGを出されることがほとんどです。

うまくマネージャクラスへと出世できれば、若いエンジニアを顧客のところへ派遣したり、人員を調整したりできるので自分がリストラされることはまずないでしょう。

まとめ:結局は自分の所属する会社、派遣先の会社次第

SES企業でSEとして働くメリットとデメリットについて解説しましたが、やはりメリットよりもデメリットや問題点の方が多いため、これから転職しようと考えている人には特におすすめできません。

SES企業のメリット
SES企業のデメリット

SES企業へ転職するなら、ITエンジニア未経験の人か、スキルをつけたい20代の若手の場合は本人のやる気、モチベーション次第で十分にやっていけるでしょう。

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